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不倫を疑っているとき、人によっては不安な気持ちから何度も夫に聞いてしまうことはないでしょうか。「本当に仕事だったの?」「誰といたの?」「どうして帰りが遅かったの?」私はそうでした。
でも今、何度も夫を問い詰めていた当時の自分に伝えられるとしたら、今、目の前にいる夫は嘘つきだよと。嘘つきが相手ではまともな話し合いはできない。当時の私はその現実を理解できていませんでした。
私に必要だったのは、怪しいと思う直感や不安からの問いと嘘つきが発する返答だけで空中戦を続ける無駄をやめて、客観的な事実を基に会話することでした。そのためにも私はまず証拠が必要だと思っています。
「話せばわかる」という勘違い
私は、不倫しているかもしれない夫を、それまで自分が知っていた夫と同一人物として見ていました。結婚して、子どもができて、家族としてこれからも一緒に生きていくと思っていた人です。だから何かがおかしいと思っても、話せばわかると思っていました。
本当のことを聞けば答えてくれる。理由を聞けば説明してくれる。ちゃんと話し合えば解決できる。長く一緒に暮らしてきた夫なのだから。どこかでそう思っていたんです。
もし不倫を疑って問い詰めたとき、夫がすべてを認めて事実を話してくれたなら、それが一番簡単で、辛いことではあるけれどそのあと自分がどうしたいのかを考えることができます。夫を許し、夫婦としてもう一度やり直すのか、許せないなら離婚を考えるのか、そこで初めて次の話ができます。
問題は、明らかに何かがおかしい、不倫を疑う状況なのに確証がないときです。休日出勤や出張が増えたり、朝帰りが多くなったり、知らない飲食店や買い物の領収書が出てきたりする。口数が少なくなって冷たくなる人もいれば、逆に聞いてもいないことまでよく喋って、妙に機嫌がいいこともあります。
家族として一緒に暮らす夫婦なら、「何かが違う」と感じます。不倫を疑う状況があり、そこで本人に聞いたとしても「忙しいだけ」「仕事だった」と言われる。それで納得できればいいけれど、違和感が消えず、それが毎日続くようなら、何かしら次の対応が必要になってきます。
まだ確証はないけれど「何かおかしい」と感じている段階なら、まずは気になったことを記録しておく方法もあります。私は、浮気を疑ったときの記録の残し方についても書いています。
不倫を隠している間、夫は「嘘をついている人」だった
ここは、当時の私にかなり強く言いたいところです。不倫を隠している間、その人は妻に対して24時間、嘘をついている状態にいます。
仕事に行って、家に帰って、食事をして、子どもと話して、夫として、父親としていつもの生活をしている。でもその生活の裏で、妻には知らせていない別の関係を続け、その大きな事実を隠したまま「何もない」という前提で毎日の生活が続いている。嘘を土台にして生活している状態です。
私はそこを理解しないまま、不倫について夫本人に真実を聞こうとしていました。目の前にいるのは、私がずっと知っている「夫」だから、私が知っている夫なら、ちゃんと話せばわかる、聞けば本当のことを話してくれると思っていました。
でも、私が知っていた夫の顔だけが、当然ですがその人の全てではありませんでした。私の知らないところで不倫相手と過ごしている別の顔もあった。そこを受け入れるのはきついことですが、そこを見ないままでは話が進みません。
夫であると同時に、今この問題については、現在進行形で嘘をついている人でもある。当時の私は、その区別が全くできていませんでした。
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怪しいだけでは、ずっと空中戦になる
不倫を疑っている。夫は否定する。私は納得できないからまた聞く。すると、また何かを説明されます。その答えが本当なのかわからないから、また考える。「これは本当かもしれない」「やっぱり何かおかしい」「私の考えすぎなのかもしれない」。私には、これは何もない空間に向かって、ひたすらパンチを繰り返しているようなものでした。
何を話しても、何を約束しても、そもそもの事実がはっきりしていない。話し合いをしているようで、その話し合いを支える土台がありません。ただでさえ不倫を疑っている時期は心も身体も疲れているのに、答えの出ない空中戦まで続ければ、こちらばかりが消耗します。
私は今なら、いったん話すのをやめます。そして、淡々と事実を確認します。その方がずっと早いと思うからです。
頭の整理
「怪しい」=自分が感じている違和感や不安です。
「仕事だった・同僚といた」=夫の説明です。
そして、実際に何が起きていたのかという事実は、そのどちらとも別です。
不倫を隠している、嘘をついているかもしれない相手の説明を何度聞いたところで、真実を知ることはできません。
自分の感情とも、相手の言葉とも切り離して、まず事実を確認する。
その事実を土台にして、その先を考える。
私が当時知っておきたかったのは、この切り分け方でした。
証拠があれば、嘘ではなく事実を土台に話せる
私が思う「証拠が必要な理由」は、まさにここです。嘘を土台にした話し合いをやめて、事実を土台にした話し合いをするためです。
不毛なやり取りをさっさと切り上げて、実際に何が起きているのかを客観的な事実として確認する。そこがはっきりすれば、相手の言葉を一つひとつ推理する必要がなくなり、ようやく話し合いのスタート地点に立てます。
それまでは相手の説明を聞いて、それが本当か嘘かを判断することに精いっぱいだった私にも、証拠に基づいた事実を手にできる。そこで初めて、話し合いの主導権を自分の側に取り戻すことができます。
私は二度目の不倫のとき、夫を問い詰める前に探偵へ調査を依頼しました。そのとき実際にどう動いたのかは、探偵に不倫調査を依頼した私の体験に詳しく書いています。
事実がわかったあとで、この人とこれからどうするのかを考えればいい。許せるのか、もう一度一緒に暮らしていきたいのか、離婚を考えるのか、慰謝料請求なども含めて次の手続きを考えるのか。それは、事実を確認したあとでなければ考えられないことです。
嘘を土台にした空中戦はもうやめて、まずは事実を知る。本当の話し合いはそこから始まると思います。


